イボとは? イボの原因

イボは「疣贅(ゆうぜい)」とも呼ばれ、皮膚表面からドーム状に盛り上がっている小さなできものを指します。

イボができる原因はウイルス感染によるものがほとんどです。ほかには、加齢によってできる「老人性イボ」や、伝染力が強い「水イボ」など、様々な種類があります。

ウイルス性イボ

一般的に皮膚科で診察されるイボは、「ウイルス性イボ」であることがほとんどです。
主に手や指、足の裏などにできた小さな傷から「ヒト乳頭腫ウイルス(人パピローマウイルス/HPD)」と呼ばれるウイルスが皮膚に入り込み、イボができます。
外傷を受けることが多い手足や、外陰部にできやすいイボですが、手あれや髭剃り後などに、目には見えない傷ができてウイルスが侵入することもあります。

老人性イボ

老人性イボはウイルス感染によるイボとは異なり、加齢による皮膚の老化現象や紫外線が原因でできるイボです。
顔や首、腕や頭皮などの露出が多い部位にできやすいことが特徴です。

水イボ

水イボは「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」とも呼ばれ、幼少児によく見られるイボです。「ポックスウイルス」というウイルス感染が原因で発症します。
伝染力が強く、小さな傷口や皮膚が乾燥している箇所からウイルスが入り込み、特にプールや浴場での接触感染が多いといわれています。

イボの症状

ウイルス性イボは、手や足の裏の皮膚に、小型のドーム状のように盛り上がってザラザラとしたしこりができます。
むやみに触ってしまうとさらに大きくなり、イボの数も増えてしまうことがあります。
特に足の裏は、イボに体重がかかって皮膚に深く食い込んでしまい、悪化することがあります。

老人性イボはその名の通り年齢を重ねるごとに発症率があがり、80歳以上ではほぼ100%の方にできるとも言われています。ただし、老化現象の一種であるため、放置しておいても体に害を及ぼすことはありません。

水イボは柔らかなつるつるとした形状で、小さいもので1mm程度、大きいものでは5mmほどの大きさになります。
水イボはどこにでも発症する可能性があり、表面は水ぶくれのようにつるつるした突起のある形状で、中央部のみ窪んでいることが特徴です。
自覚症状のない人がほとんどですが、治癒過程で炎症やかゆみを伴うこともあります。

イボの治療方法

液体窒素

イボの治療は、液体窒素による凍結凝固法が基本となります。患部を液体窒素によって凍結させ、低温火傷を起こすことで皮膚表面を壊死させる治療法です。
液体窒素を綿棒にひたし患部に当てる方法と、スプレー式液体窒素を直接幹部に当てる方法があります。
治療時には一定の痛みが生じます。

ピンセット

小さな水イボなどは、特殊な形状をしたピンセットを使う治療する場合もあります。

薏苡仁(ヨクイニン)内服

薏苡仁(ヨクイニン)というハトムギエキスの漢方薬を服用する治療法です。
免疫機能を活性化させる効果があり、内服薬なので液体窒素のような痛みはありませんが、完治までに時間がかかるといわれています。
いずれの方法でも、一回の治療で完治することはあまりなく、経過を見ながら定期的な通院が必要となることがほとんどです。

イボの予防

スキンケア

手あれや髭剃り後などの皮膚は、眼には見えない小さな傷ができています。
イボの原因となるウイルスが侵入する原因になりますので、保湿クリームなどを使ってしっかりと肌のケアを行いましょう。
また紫外線は、老人性イボの原因の一つとなります。外出時は帽子をかぶるなど、紫外線による皮膚への刺激を抑えましょう。

怪我をしたら放っておかない

怪我をしてしまったら患部をしっかりと洗い、消毒をして絆創膏などで保護しましょう。
イボの原因となるウイルスの侵入リスクが低下します。

規則正しい生活

不規則な生活によって体の免疫が低下すると、イボの原因となるウイルスが皮膚に侵入しやすくなるといわれています。
健康管理をしっかりと行い、日頃から規則正しい生活を送ることを心がけましょう。

イボの症状が出たら日常生活で気をつけるポイント

イボは触ると、数が増えたり大きくなったりするので、むやみに触らないことが大切です。
特に水イボは伝染力が強いため、プールや浴場へ行くことは控え、家族とタオルなどは共有しないようにしましょう。

イボができてしまったら自己判断で放置せず、まずは医師の診察を受け、イボの種類によって適切な治療を行うことが早期治療への第一歩です。