あせも(汗疹)とは? あせもの原因

あせもは汗疹(かんしん)とも呼ばれ、汗を大量にかいたあとにできることの多い吹き出物です。

人間の皮膚には「汗腺(かんせん)」という汗を分泌する器官が全身に約230万個あり、そこから分泌された汗は汗管という通り道を通って体の表面に排出されます。

汗をかくことは人間の体温調節に欠かせない機能のひとつです。
しかし、気温が高い時期や激しい運動、発熱により大量に汗をかくと、汗管が一時的に汗で詰まり、汗が体の外にうまく出ていかなくなってしまいます。
これがあせもができる原因となります。

あせもの種類と症状

あせもは、汗が詰まる箇所によって大きく3種類に分けられています。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

角層内や角層直下の皮膚の表面に近い箇所で汗が詰まってできるあせもです。
白っぽい小さな水疱がたくさんできることが特徴ですが、痒みなどの自覚症状はなく数日のうちに自然に治ります。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)

角層の内側にあたる、「表皮(ひょうひ)」と呼ばれる層の内部で汗管に汗が詰まることで、痒みを伴う小さな赤いブツブツができるあせもです。
乳児や肥満の人、高温多湿の環境で過ごしていた人にできやすく、あせもの症状のほとんどがこの紅色汗疹となります。
強い痒みを感じることが多く、掻きむしって悪化しやすいので注意が必要です。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

表皮とその下の「真皮(しんぴ)」という皮膚の深い部分に汗が詰まってできるあせもです。
主に熱帯地方で発症する方が多く、日本ではあまり見られませんが発症すると皮膚が丘状に盛り上がり、正常に汗が排出できなくなります。
そのため深在性汗疹が体の広範囲にできていると、体温調節機能が低下し熱中症になりやすくなる恐れがあります。

あせもの予防

あせもは、一般的に気温が高くなる5月ごろから発症する方が増えはじめますが、しっかりと汗への対策を行なうことで予防することが可能です。

汗をかいたらこまめに拭きとる

汗をかいてそのままにしておくと、汗腺に汗が詰まりあせもができやすい状態になってしまいます。
汗をかいたらなるべく早くシャワーで汗を流すか、水で湿らせたタオルで体を拭くなどし、肌を清潔な状態に保ちましょう。

こまめに着替える/通気性・吸水性の高いインナーを着用する

汗をかいたらこまめに着替え、肌を清潔に保つことも大切です。
日中スーツや制服などを着用しているためこまめに着替えることが出来ない方は、なるべく通気性や吸水性の高い素材のインナーなどを利用し、汗をかいて服が湿った状態にならないようにしましょう。

涼しい環境で過ごす

汗が吹き出るような暑い時期はエアコンを適切に使用し、涼しい環境で過ごすことを心がけましょう。
また、外出した際もずっと屋外にいることは避け、なるべく涼しい場所で涼む時間を設けるよう心がけましょう。汗をかき続ける状態が長く続かないようにすることがあせも予防には大切です。

あせもの治療方法

水晶様汗疹は痒みなどの自覚症状がなく、数日で自然に治ってしまう場合も多いものの、強い痒みがある紅色汗疹は患部を掻きむしって悪化させてしまうことがあります。

自然に治ることもありますが、かゆみ・赤味が生じた場合は早めの受診をおすすすめします。

あせもの症状が出たら日常生活で気をつけるポイント

あせもができたら、とにかく掻かないことが大切です。
むやみに掻いてしまうと症状が悪化するだけでなく、皮膚がただれてしまうようなひどい「伝染性膿痂疹(とびひ)」や、小児は黄色ブドウ菌が皮膚に入り込む「多発性汗腺膿瘍(あせものより)」になる恐れもあります。

また、あせもができてしまったら、こまめに手を洗い清潔にし、爪は短く切りうっかり患部を傷つけないようにしましょう。

当院でも、あせもの症状に合わせた治療・アドバイスを行っておりますので、あせもにお悩みの方はご来院ください。