湿疹とは? 湿疹の原因

湿疹(しっしん)とは、皮膚表面がかぶれて赤くなり、痒みやブツブツが出るなどの炎症が起きる最も代表的な皮膚病です。

皮膚は紫外線やハウスダスト、細菌などの外部の異物や刺激から体を保護するバリア機能の役割を果たしていますが、バリア機能以上の刺激による外的要因や、健康状態やアレルギーなどによる内的要因、また体質などの影響により湿疹が起こると考えられています。

日常生活から考えられる湿疹の主な原因としては、以下のものがあげられます。

外的要因

洗剤やシャンプーなどの化学物質、化粧品、食べもの、花粉、ハウスダスト、動物、肌の乾燥、貴金属、衣類、カビ、虫刺され、細菌など

内的要因

発汗や皮脂の状態、健康状態やストレスによる皮膚の免疫力低下、アレルギー、アトピー体質など

これらが原因となって全ての人に湿疹が起こるわけではありませんが、今までは何でもなかったものが突然湿疹の原因となることもあります。 このほか、ご本人も思いもよらないことが原因となる場合もあります。

湿疹の種類と症状

接触性皮膚炎

特定の物質に接触した部位に、炎症が起こる皮膚炎です。洗剤や油、石鹸などが原因で起こりやすく、皮膚がかぶれて赤くなるなどの症状が出ます。ほかには、アレルギー物質に触れることで起こる「アレルギー性皮膚炎」があります。

脂漏性湿疹

皮脂の分泌異常や細菌感染、ホルモンバランスの崩れが原因で湿疹が起こります。皮脂の分泌が盛んな頭や顔などに起こりやすく、粉が吹いたような状態になります。かゆみは強くありませんが、頭皮にフケが大量に発生し、頭の匂いが強くなるなどの不快感があります。

皮脂欠乏症湿疹

皮膚表面の皮脂が欠乏し(乾皮症)になることがあります。この乾皮症の肌に何らかの刺激が加わると起こる湿疹です。強い痒みが出ます。入浴や洗顔時、肌を洗いすぎて皮脂を奪ってしまうことによって発症することがあります。

手湿疹(主婦湿疹)

手にできる湿疹は、日常的に接する水や石鹸、洗剤や紙などの刺激によって起こります。炊事で洗剤や水に接する場合が多いため「主婦湿疹」とも呼ばれています。主に利き手の指や手のひらが乾燥して、痒みやブツブツや亀裂が生じるなどの症状があります。

アトピー性皮膚炎

主に食べものやハウスダストなどが原因となる湿疹ですが、明確な原因が特定できない場合もあります。顔や耳、頭など患部の皮膚全体がカサカサに乾き、強い痒みを伴います。

このほかにも、乳幼児にできやすい「あせも」や、高齢者にできやすく貨幣のような円形の湿疹が現れる「貨幣状皮膚炎」など、さまざまな種類の湿疹があります。

湿疹の治療方法

医師の診察を受ける

湿疹の症状が重い場合や原因が分からない場合、またアトピー性皮膚炎が疑われる場合など、原因を確かめ再発を防止するためにも病院やクリニックを受診し、専門医の診察を受けましょう。

原因を取り除く

湿疹の症状が軽い場合や、明らかな原因が分かっている場合は、原因を取り除くことによって症状を改善することができます。
湿疹は掻いてしまうと悪化の原因になりますので、掻かずに薬をつけて痒みを抑えましょう。

湿疹の原因は自己判断では特定できない場合も多いため、症状が改善されない場合や悪化した場合は、病院やクリニックで専門医の診察を受けましょう。

湿疹の予防

湿疹の原因物質を避ける

湿疹の原因となっている物質が分かっている場合、その原因物質を避けることが湿疹予防の第一歩です。
ダニや金属、薬剤や食べものなど、さまざまなものが湿疹の原因となります。ご自分の原因物質を把握するために、病院などで一度アレルギー検査を受けてみることも湿疹の予防や再発防止に効果的です。

肌の保湿を心がける

皮膚には外部の刺激から体を守るバリア機能が備わっています。しかし皮膚が乾燥していると、刺激を受けやすくなり湿疹の原因に繋がります。 入浴後や洗顔後は、化粧水や保湿剤を使ってしっかりと保湿しましょう。

汗はこまめに拭き取る

汗は放っておくと、皮膚がかぶれる原因となる成分が含まれています。汗はこまめに拭き取る、シャワーを浴びるなどして汗の皮膚への刺激を防ぎましょう。

湿疹の症状が出たら日常生活で気をつけるポイント

患部を掻かずに冷やす

湿疹は、患部を掻いてしまうことによって皮膚が傷つき、さらに悪化し痒みが増します。痒くても掻かないことが大切です。
痒みが強い場合は、濡れタオルや保冷剤、氷を入れたビニール袋などを患部に当てると痒みが和らぎます。

手袋をして水仕事

炊事などで日常的に触れる水や洗剤、紙によって、皮膚が刺激を受け発症する手湿疹(主婦湿疹)の予防には、水や洗剤を扱うときには手袋を着用し、外部から受ける刺激を減らす工夫をしましょう。

生活習慣を見直す

不規則な生活や睡眠不足、偏った食生活が続くと、皮膚のバリア機能が低下し肌のトラブルへ繋がりやすくなります。規則正しい生活を心がけて、常に体調管理をすることが大切です。また、アルコールや刺激物は痒みを悪化させるため控えましょう。

当院でも、湿疹の症状に合わせた治療・アドバイスを行っておりますので、湿疹の痒みや炎症にお悩みの方はご来院ください。